夕暮れの静寂に 独り刻んだメロディー 凍てついた温度だけが 揺れるように頬をなぞる 例えるならこれはそう 失った物語 色の抜け落ちたフィルム 儚く瞬く 光を追うその目はぼやけたまま 貴方は遠くへ行くんだね ああ微かにでも確かに始まりの音が 響く あの日繋いだ夢が あの日紡いだ歌が 錆び付いてなお微笑む 一筋のメモリアル 明日へ向かう標を ずっと見失わないように 零した涙も言葉も その全部を抱きしめて 茜の差す窓辺に 揺蕩う思いはどこに? 冷たい夜に溶ける 空に舞って今日も忘れる 旅に烏 また暗みが増す この場所から抜け出すのが怖いんだ 気付いてもきっと もう遅いから 閉ざしたままで ああ 消えていく 霞んでいく もう行かなきゃダメなのかな 分かってる過去には戻れないの 後悔はないだから進もう 新しい小節のその向こうまで あの日繋いだ夢が あの日紡いだ歌が 錆び付いてなお微笑む 一筋のメモリアル 明日へ向かう調(しらべ)を ずっと見失わないように 零した涙も言葉も その全部を鮮明に いつまでも音で奏でよう この五線譜に焼き付けて さよならだね 抱きしめて さよならだね