口笛男が現れて 誰にも見えない体で 美しい冬の朝を 切り裂き消えてゆく この世の終わりが来たような 悲鳴を上げる自転車で 足早の 人々を らくらく追い越し走り去る 僅かな侮辱と憧れが マッチの残り香のように漂い 感じた 感じたんだよ 光を 心の時間を止めるように しおりを挟んだ後で 急に老けた顔付きで 降りてく君を見た 神様男が現れて 仏々言うのだけれど 乗客もこの電車も 悟ったように静かに先へゆく 田園に注ぐ水のように ラッシュは街の中へ染み渡り 溢れまい 溢れまいと 堪えていた その後、僕は年をとったり 二度と会わないと解ってる人と約束 をしたり 世界から目を伏せられた幸福にも出 会ったりするのだった そして I LOVE YOU I LOVE YOUとも歌った I LOVE YOU I LOVE YOUとも歌った 新世界、新世界は目覚めた