赤と青に光る幾千もの雨粒が 窓をなぞってゆく 行先を告ぐ様に水銀灯は等く 浮かんでは消えて 霧を纏う車は光沢を包み隠して 誰も乗せてない 暗闇が横切ると冷たい空気が 肺をとおり抜けた やがて誘われる桃源郷 鍵を回す音とともに ラヂオが途切れた 恋人たちは遠い星に辿りつき 何時ぞや燃えちる 寄るべのない命を煌く 貴方の顔に影が落ちて 私の肌に流れるまで 滅びのキスでこの世の息を止めて 傘も無く駆け出した駐車場の波紋を 飛びこえてゆけば 自動扉のまばゆさに引きよせられ 力つきた夜の羽を見た まるで明けやらない竜宮城 無人のレジスターだけが 出口を知っていた 恋人たちは遠い星に辿りつき 静かな帳に仄めきあう光で囁く 貴方の顔に影が落ちて 私の肌に流れるまで 滅びのキスでこの世の息を止めて 貴方の顔に影が落ちて 私の肌に流れるまで 滅びのキスでこの世の息を止めて 息を止めて