駅前の広場を右に曲がったとこの ドーナツ屋さん もう潰れちゃうらしいけど 信じられないね あの頃のみんな 遊んでいた場所 ドーナツ屋さん ほら だらだら話していた 誰が好きか とか 鼻の先で漂った 油っこくて重い甘い匂い 笑っちゃいそうなくらい ザラメをめいっぱい キラキラした寄り道の途中 昼間より少しだけ 素直になれた この先もずっとずっと おしゃべりしていよう 吹けば飛ぶ軽いことも だいじなことも 今だから 正直 昔から古くさい ドーナツ屋さん そこまでおいしくなかった きみもそうだったでしょ? 口を閉じても いつも 言えなかったことは ひとつ ふたつ またひとつ こぼす 夕暮れ はじけてく パチパチ鳴る この胸の奥 彼氏には教えない 友だちじゃなきゃ いつまでもわたしたち おしゃべりが止まらない あの店の名前はもう思い出せない ラララ…… 窓の外 信号が黄色になったとき 突然「失恋した」って、きみ 心臓の音ごと噛み砕いていたよ きっともうちょっと大人になって いろいろあっても 甘いもの食べながら 笑ってるんだろう、ね ザラメの粒よりも たくさんある 話したいこと きみの隣がいちばん 自分らしくなれた いつまでもわたしたち おしゃべりが止まらない あの店の名前はもう思い出せない