バタフライは 僕のもと そっと舞い降り来て バタフライは 高く舞った 知らぬ何処かへ 1月の乾いた午後の 霞む喧騒の中で ビルは鉛色の空 突き抜ける 荒んだ風は無機質に アスファルトは凍て付き 人は皆 鈍色纏い 急ぎゆく 僕も違う色の憂いを 脱ぎ捨てて エデンを求め 当てもなく 彷徨って バタフライは 僕のもと そっと舞い降り来て バタフライは 高く舞った 知らぬ何処かへ バタフライは 白くまた 輝く瑠璃色に 僕はまた その羽を 夢見るままで 真夏のワイングラスは 金色に光り 街路樹の空溶け込んで 微睡(まどろ)んだ そんな季節は過ぎて 秋のヴェールを 纏(まと)い また脱ぎ捨て 街は凍えだして バタフライは 僕のもと 波打ち舞い踊り バタフライは 高く鳴いた 掠れゆくように バタフライは 目を閉じた 鼓動は鳴り止まず その羽はいつまでも 輝きを増す バタフライは 僕のもと そっと舞い降り来て バタフライは 高く舞った 知らぬ何処かへ バタフライは 白くまた 輝く瑠璃色に バタフライは 今日も鳴いた 知らぬ何処かで