みずみずしい夏の坂道を 立ち漕ぎで駆け抜ける 青黒頭にしたたる汗 鼻に残るシトラスの匂い まくりあげたカッターシャツから 覗く血筋の張った腕 大きな手でひらひらと顔を仰ぐ 頬杖をつきながら 眺めているのよ 斜め後ろから モノクロのあなたを そっとわたしの世界に引き込んで 優しく色付けをしてみたいの レトロな雰囲気のあなたを見つけて 飛びつきたくなる衝動を ぐっと堪えた 冷えた風に吹かれながら 踊る雪を眺めて 顔をしかめるあなたをみて 微笑みかけるの 肩をすぼめて学生服から 見え隠れするあなたの手 なんとも言えない 言いたくないほど愛しいの 5センチに伸びた髪 そのくらいが一番好きよ 素っ気ないあなたが ふとした時に笑った日には 胸の中から幸せがこぼれそうで 赤いマフラーの中に埋もれる あなたをしっとりと揺れる 雪と重ねて 掴み所ないし とっつきにくいのに 胸を痛めるくらい 時に可愛く時に男臭いから ワンパターンのあなたの 返事も横顔も後ろ姿も歩き方も全て 無味無臭的なあなたの色気に あなたの世界に引き込まれて 出れない はつらつたる変わりゆく ワンパターンのあなたの 胸の奥の奥に住み着きたいの 胸を締め付け心を痛めるくらい