拝啓バンドマン

歌詞

僕にとって音楽は救世主だった 教室の隅、 四角い机は最終防衛ライン 何も見えない 何も言えない そんな僕が 深呼吸しても許してくれた 小さなスピーカーに両耳をうずめて 目を閉じれば浮かんできたのはまだ 見ぬ大ステージ 僕の拍手は心臓の鼓動 鳴り止まないから 明日が来ることも受け入れられた 生きることしか 選べなかった 死ぬなんて魔法 使えなかった このまま 大人にだけなってしまうこと それだけが怖くて仕方なかった 今ここにいる僕はきっと 逃げ続けただけの臆病者だ 抗うことも 進むこともなく 流されるだけ バンドを始めて友達ができた 縛られていた世界の外にも 世界があると知った タバコの匂い 狭いスタジオ そんな場所でも どこにいるよりも心地よかった 生きることも悪くはないな 死ぬなんて魔法 要らないよな このまま 大人になんてならずに 生きていられたら どんなにいいかと考えていた 今ここにいる僕は結局 逃げ続けただけの薄情者だ 抗うことも 選ぶこともなく 流れてくだけ 生きていくために必要なことが 増えてくばかりで 天井が近くなるプール息をするので 精一杯 知りたくもなかったことばかり 頭の中に詰め込んで この先一体どうすればいいの いつの間にか音楽が嫌いになった 予定調和のニュース 救いのない重大発表 そんなものに僕はかつて 憧れたわけじゃない 名曲がただそこにあればよかった 君の歌はまだ僕の心 奮わせてくれるから 声に出すよ言葉にするよ そのままの気持ちを 僕の歌はただ此処で鳴って 消えてゆくだけだとしても 確かめてよ 今ここにあって揺るがないもの