木だけのものじゃないから 避雷針は 肺をくらやみに馴染ませ 思い出すの舞台 プレートリバーブの空が 胸骨を 満たす僕は減る 減ろう 髪から なまえが憑いたときから 爪ゆく 雷のほうに見惚れて 僕は恋をしている筈で 血の中には何もなくていい筈で 電より早いものがある筈で 僕が恣に呪って確かめる筈で 誰かいるのは分かってた筈なら 向うを照らしてほしいね こどものころに観たホラー映画の 電気が未だ 木だけのものじゃないから わたしたちは 龍の稜線からはみ出し 踊り出した額 病みばなの歯たちが齧る草木を ひらく僕が 光と細い肌のびりがずれてきて 雷を枯らすときまで 僕は恋をしている筈で 髪は少しも動かせない筈で 爪達は少しも騒ぎ出さない筈で 僕は薄い暗闇しか分からない筈で
