目覚めればいつも切ない このまま毛布にからだを埋めていられたらいいのに 不条理の支配下 何度繰り返したのならば 完璧な絵を描き出せる ずっと追われ続けている 無意識の視覚化 転がる筆先 夢中で色を重ねてみても 記憶に程遠い 自分自身のフロッタージュ いつになれば気づくのだろう 柔らかい時計の針 歪んで溶けだしてる 誰にも見えない時間の狭間 窮屈な枠の中で手足をばたつかせる 自ら望んだ鏡の向こう もう帰らないよ 手探りの廊下 奥行きなど無いそれはまるで ああ 例えるならトロンプ・ルイユ 目に見える思考 原風景の果て 全てはそこからはじまり終わりへと行く 壊れた筆先 替えもなくなりあとは指だけ どんな角度でも 自分以外の全てコラージュ いつになれば終わるのだろう 切り取る空は 鳥に 静かに飛び立ってく どこにも在り得ない架空の故郷 窮屈な枠の中で手足をばたつかせる 自ら望んだ鏡の向こう もう帰らないよ