籠の鳥(かごのとり)は 想うことしか出来ぬ命運(さだめ) 文(ふみ)したため 破り捨てて見上げる月 夢の浮橋(ゆめのうきはし)を渡って あなたに逢えるなら この身を 投げ捨てよう 咲けど 咲けど 徒花無惨(あだばなむざん) この花は実を結ばぬ されど あなたを乞うては 咲き狂う 哀れ 哀れ 徒花無惨(あだばなむざん) 散らすならその手でどうか 握り潰してくれ 情けなど無用 ひと思いに 戀(こい)という字は 糸し糸しと言う心と 寝物語(ねものがたり) あなたが教えてくれた夜 切れぬ糸ならばどうして 結んで行ったのか 心に食い込んで 嗚呼 咲けど 咲けど 徒花無惨(あだばなむざん) この花は棘(とげ)を纏(まと)う 一輪一輪咲いては 血塗(ちまみ)れに 哀れ 哀れ 徒花無惨(あだばなむざん) 枯らすなら一目もくれず いっそ燃やしてくれ 灰にしておくれ ひと思いに 夢の浮橋(ゆめのうきはし)を 落として あなたと辿り着こう 閻魔様(えんまさま)の許で 上等 咲けど 咲けど 徒花無惨(あだばなむざん) この花は実を結ばぬ されど あなたを乞うては 咲き狂う 哀れ 哀れ 徒花無惨(あだばなむざん) 散らすならその手でどうか 握り潰してくれ 情けなど無用 ひと思いに 愛人(ひと)想いに