君の姿が翳(かす)んでく 砂に描いた ささやかな夢も さざ波がさらってゆく 二人何を残せるだろうか 寄せては引いてゆく波音に 君の声も遠くなる 止まらない沈みゆく夕陽 二人の影も滲んでゆく… 夏の終わりに君は笑った 僕の胸に儚く咲いて 「さよなら」なんて言わないけど 空が赤く燃えてたよ 冷たい水が足を包む 歩いた跡が消えてゆく 記憶さえ こぼれ落ちる そんな切なさに涙が出るよ 星が瞬く夜が来ても 君がいない部屋は 止まらない溢れる想い出 君の匂いは消えてゆくのに… 夏の終わりに君は泣いた 僕の指をそっと握って 「愛している」と言わないまま 黄昏を静かに観てたよ
