胸元に降りた花びら 風 抜け 色が差す春と あまりにも綺麗に並ぶから 思わず水彩でぼやかした 君が隠してる孤独と 夢 舞う 微睡みの三月 何か言いたそうに傾げた 首の横でピアスが笑った 花が散る 水面 音も無く 僕ら耳を捨て 流るる季節を出し抜いた 透き通るようなその指先を 喧騒の濁流に浸して 確かめた君の血の色に 今ならこの手が届きそうさ 砂時計が落ちるのをやめた部屋 窓越しのシュプレヒコール 鏡の中の闇を見放し 錆びついたナイフを投げ捨てた ああ 松明が魔女を焼く夜 見切りをつけるような 罪を抱き続けたまま また 眠る君を確かめる 花が散る 水面 音も無く 僕ら耳を捨て 流るる季節を出し抜いた