桜月夜の二年坂 薄紅色の風の中 祇園あたりははなやいで 酔人達の歌の中 藍の浴衣の君の手を ひいて人混みさけながら 枝垂れ桜を抱くように 月に隠れて君を抱く 見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい 世に永遠のないように 儚き夢は風の中 花見小路のきらめきも いにしえ人の歌の中 紅い花緒の塗り下駄の 音も消される東山 せめて一夜の恋にだけ 溺れていたい春の夜 見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい 咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど 咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど