お布団の中にもぐって室内機 眺めてた 冷たい空気と 熱い視線がこちらに流れてきた それは 血走った目が一つ 鋭くて穴の開いた 突起をこっちに向けている 干からびる 干からびる 水 水 水 水をください 干からびる 干からびる 皮だけになってしまった 畳の上に寝ころび聴いてた蝉時雨 開いた窓 冷たい視線と 暑い臭気がこちらに流れてきた ここは団地の最上階 あれは何 (それは 空中を漂っていた 大きな口) 目玉 目玉 目玉 全てが (無数の歯) ギョロリとこっちをしっかり 見つめてる (迫ってくるのだ) ああ ウグイスやトンボは殺された ウサギも殺された(アジは頭だけ) カツオは尻尾だけ ああ ラジオをつければ ウナギとナマズが残りました と鳴りました 鳴りました 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく… 溶けてゆく 溶けてゆく 水 水 水 水にされてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 一つだけになあてしまった