街は——ほどけた靴のひもと雲の狭 間で まだらな声と今朝の活字とをかき混 ぜた 歩き疲れてみようか、 背中がかゆくなるまで さびしい夜も今日はどうかばかな顔 して待っていて 人を待つ人——二本の腕とお腹に挟 まれ おもちゃのピアノを座って鳴らす彼 に尋ねた そっちの世界はどうだい? 君の好きな音を教えてよ 歩きつかれたよ、シュローダー 家へ帰るよ、 憂うだろうけどしょうがない 寝転んだままでいようか、 背中が固くなるまで さびしい夜だ、今日はどうやら ばかな顔して待っていてくれたのな ら しょうがないや