約束だよ そう言って、繋いだ手は解けた 帰る朝全ては泡沫のように 待宵 あの世との境目が近づく 戻ってきた 誰も知る由もない集落 閉じ込めた部屋 古びた錠を外して 浮かんでは消える 街の面影と誰かの顔 村に鈴の音が鳴り響く 混ざりあうことのない幻を迎えに 約束だよ そう言って、きみは嬉しそうに あの場所で会おうねって 話をしてたのに 同じ夢を何回も 見ているような気がする 届いた手紙は5年前のきみから 細切れ 壊したもの元通りに 蘇る葬った 待ち合わせたあの日のこと 来るはずのない 君を待ってたんだずっと 待宵の花の側の 君は眠ったようだった あの人の願いが叶いますように 最後の最後に 花に願いをこめて もう一度だけ会わせて マツヨイノハナの奇跡 いまここに 久しぶりだね そう言った ずっと待ってた声だった どうか忘れないでねって 指切りを交わした 約束だよ そう言って、繋いだ手は解けた 帰る朝全ては泡沫のように