夏は冬に憧れて 冬は夏に帰りたい あの頃のこと今では すてきにみえる 誰れよりも なつかしいひとは この丘の空が好きだった あきらめないで うたうことだけは 誰れにでも朝は訪れるから やさしかった恋びとよ そのあと何をいいかけたの ぼくの言葉があなたをさえぎるように こぼれたあの時 駆けぬけてゆく夏の終りは 薄れてゆくあなたの匂い 今日はあなたの声もきかないで このままここから帰るつもり そっとそこにそのままでかすかにかがやくべきもの 決してもういちど この手で触れてはいけないもの でも あなたが私を愛したように 誰れかをあなたが愛しているとしたら あゝ時はさらさら流れているよ 夏は冬に憧れて 冬は夏に帰りたい あの頃のこと今では すてきにみえる そっとそこにそのままで かすかにかがやくべきもの 決してもういちど この手で触れてはいけないもの