風が照り付ける空へ 手を引くくらいに 吹き抜けたのは 7月の終わり 望んでいた ずっと待ち望んでいた あの日みたいな 晴天だったんだ 今日は懐かしい 君と話がしたいな 弱気なボクを笑うかな 小さな屋上に登り 何でも見えた あの日みたいに お日様が 天辺に昇ったら 石のフクロウ前に 待ち合わせ 廃線を辿って 時間潰して どこか行こうよ どこでもいいよ 色褪せ 弾まないボールと ちゃけた 水筒なんかもっていこう 着られ気味の 背広を着て 君は言った 「夏は終わったんだ 僕らの夏は終わったんだ 夢を見れるような時間は とっくに過ぎたんだ 誰に強請ったって 何処へ探しに行ったって あの日はもうないんだ 僕ら 大人になったんだ」 わかってる いつも幸せは どれも失くして初めて 気づくものだと教わった なのに忘れたいことは 「忘れたいこと」の引き出しの中 起立 礼 で駆け出すあの日から 置いてけぼりのボクは 座っている 夢を描いたノート 破ったテスト かすってないぞ 未来予想図 欲張りなボクの かばんには 今も捨てずに ちゃんと取っていた 縋るような思い出が 全てだったのに 夏は終わったんだ 僕らの夏は終わったんだ 他愛のない今日を 悪戯に過ごせやしないんだ あの日はもうないんだ 僕も大人になったんだ それでももういいんだ 君と笑えるならいいんだ 「夏は終わったんだ 僕らの夏は終わったんだ 夢を見れるような時間は とっくに過ぎたんだ 誰に強請ったって 何処へ探しに行ったって あの日はもうないんだ 僕ら 大人になったんだ」 君と見てきたんだ 夏と走馬灯の空