ある田舎の駅の近く 2つの店が並んでました 履物屋さんと傘屋さんの おばあちゃんは仲良しでした それぞれの連れ合いに先立たれて 子どもたちも自立しました おばあちゃんたちに残されたのは 客の少ないこの店だけ それでも2人はしあわせでした 話し相手がそばにいたから 履物屋さんのおばあちゃんが 微笑みながら亡くなりました 傘屋さんのおばあちゃんも 後を追うように亡くなりました それぞれの家族が片付けた時 店の奥を見て驚きました 履物屋さんの押し入れには 傘がいっぱいありました 傘屋さんの押し入れには 履物がいっぱいありました お互いの店まで行ったり来たり そう自分たちが客になってました 履物の数だけ 傘の数だけ しあわせがそこにありました しあわせがそこにありました