侘助は白い花 雪よりも かなしみよりも 白い花 あなたを あなたを 待ち詫びて 他の誰にも 咲かぬ花 帯の解き目に 手がゆくたびに 心がキュッと 泣くのです たった一輪 あなたに抱かれ 花びら凍る侘助を 燃える椿にしてほしい 侘助は灯り花 薄明かり 集めて光る 灯り花 あなたに あなたに 染められて 他の色すら 知らぬ花 想うばかりで 逢えない人は さびしい夢と 同じです 恋に迷った 手さぐり坂で 闇夜に煌(ひか)る侘助は あなた一途の命花 たった一輪 あなたに抱かれ 花びら凍る侘助を 燃える椿にしてほしい