人差し指触れた 静けさの中 「おい。その本、 俺が先に借りようとしたんだけど」 紙の匂い めくるページに足音を 「なに。それ、 お前の愛読書なわけ?」 「ふーん。あっそ。」 ねえ、ちょっと! 「他にも空いてるだろ」 もう、ちょっと! 「だから、たまたまだって」 アイガッチュー! 「はあ。お前がどうしてもって 言うなら座らせてやってもいい。 ただし。」 私語厳禁 Library 座っていろって Library チラつく視界の隅 老人でも海では目が泳ぐ? Library とりあえず手に取った Library あらすじもないような青春さ どうなった?って ハッピーエンドじゃねえ 風と共に去りぬ影 一人歩いて 「日曜日の予定? ・・・まぁ、大体ヒマしてるけど」 書を捨てよ、町へ出ようと先回り 「あぁ、そこ。本に載ってた」 「あんまり大したことないってさ」 ねえ、ちょっと! 「なんでわざわざお前なんかと!」 もう、ちょっと! 「あぁ、わかったって!」 アイガッチュー! 「このオレ様が 付き合ってやるから、 ありがたく思え 別に。」 お前のためじゃねえよ Library 飾って踊って Library 憧れていたいのねニューヨーク ティファニーにも ビュッフェのコースが欲しい? Library 繰り返し手に取った Library トリックもないようなミステリだ どうしよっかって ホームズヒントくれ Library Library Library Library ねえ、ちょっと! 「オレも今来たところ。」 もう、ちょっと! 「これってデートだねって?」 アイガッチュー! 「・・・・・・まぁ、俺はそのつもり・・・・・ だけど・・・・・・」 何でもねえよ! Library 座っていろって Library チラつく視界の隅 老人でも海では目が泳ぐ? Library とりあえず手に取った Library あらすじもないような青春さ どうなった?って ハッピーエンドじゃねえ Library Library グラつく天秤 戸惑ってる チェーホフもゲーテも 先輩じゃねえ! Library 振り返り手を取って Library あとがきで恋する ショート・ショート どうだった? って筆者に聞いてくれ 「・・・・・・好き、だよ」