錆びついた香り 深呼吸して 八畳半 詰め込んだ放課後 削れたピックも 勲章のようで しゃがれた声で歌い続けた 夏の夜 ギター背負って 見上げたのはなんの星座 湯船に首まで浸かって握りしめた 指先に染みる熱 今だ掻き鳴らし掻き乱せ 間違いだらけの音で 慣れない台詞 くすぐったくて でも信じてこれたよ この時間が好きだ とりとめもないくだらない事 日々の隙間に少しの後悔 拾い集めてつぎはぎのままで この声でただ届けたくて 本番二小節前 喉奥がやけに乾いた 光の輪郭がぼやけた瞬間 聴こえたのは カウントの音 未だ掻き鳴らし掻き乱す 音は鳴り止まないまま 形にはできない 願いすら 忘れ委ねていよう この音に紛れて 溢れた泣き言幾つもあった でも君は僕より僕のことを 諦めないでくれたから 烏滸がましいけど言わせてよ 居場所をくれた 君の居場所になりたい 今だ掻き鳴らし掻き乱せ この音に全部乗せて 日々の細やかな煌めきと迷いも 恐れも抱いて 分かちあっていられる この時間が好きだ
