まことしやかに囁かれる 秘密の酒場の噂を知ってるかい? そう、こんな雨の夜の中 十字路の角を曲がったところに ひっそりと現れるらしい 重たいドアを叩いて吸い込まれると 一言、たった一言頭の中に響くんだ 「ようこそ彷徨う亡霊よ…」 そう響くと踊るウイスキー 世界がふわりとぐらりと回る 灯りのない雨道をわざと 濡れて震える亡霊は 冷えて失った熱を数えて 生きてる事を思い出していた カラリと透ける褐色の世界 じわりと身体の底から 染みる熱を感じていた クラッ…と世界が宙をまった グラスに映る顔は Oh... maybe it's me 「負けじと抱きしめたのは、 あの夜崩れた君を支える為じゃなく ほんの少しの過ちを背負う事で 生きていると感じたかった…」 そんな事を思い出した夜 今だって灯りのない雨道を ゆらゆらと無い足で彷徨う亡霊さ 冷えて失った過去を燃やして眺めて 酔いしれていようか