海がせり上がって生まれた島のふち つられてはしゃぐ友達 くぐり抜けた先にある陽だまりが 首筋を焼くちりちり 「崖っぺりにくると黙っちゃうね」 ゼロカロリーコーラをこじ開ける 貸し出されたボートに乗って 国道の端 読めない地名ばかり ちらかる石ころに名前をつけたふり 「おばけかなんかいたりしてね」 やわらかい坂を滑り下りて 次々と飛び込んでゆく 順番を待つあいだに眠りこけて 夢の話しだし困らせる ああ ようやく見えた 墓の先の景色 走る船たち 逆さまの双眼鏡 目に当てておどけたあなたをよそに 海はせり上がって隠した島のふち