私が気づいていないとでも、 あなたは思っていたの。 あなたの悩みや苦しみが、 私の胸に伝わってくる。 あなたが目を伏せて、 私を見つめないふりをしても、 クリスマス・ツリーを映した、 夜のガラス窓に、 あなたの後光が映っている。 悔しいのは私の方。 天使がここにいるのに、 あなたは独りで、 眠れぬ夜を過ごしている。 自宅まで送ってくれたあの夜、 欲しかったのは、 お別れのキスなんかじゃない。 「僕と結婚してくれ」と、 ただその一言だけを 待っていたのに。 なぜ愛を恐れたの。 愛は悪魔より強いのに、 なぜ愛を捨てて独りで行くの。 未来は二人で創っていけるのに、 なぜただ一人で苦しむの。 ああ、あなたは一体誰? 「ルイ・ヴィトン」も 知らない男が、 女神の腕からすり抜けていく。 いつまでも待つわ。 あなたが「世の光」となった時、 私も 夜空に輝く星の一つでありたい。 透明な風になんか、 決してならないでね。