大地から手を離せ 二本足で立て 名も無き草原に 遥か地平から 眩い光が射していた 一匹の猿が今 生まれた意味を知る為 旅立とうとしていた 「意味の無いことは止めなよ 餌も水も家も此処にある」 仲間達はそう嗤ったが 「俺は地に落ちて 泥塗れの安心にはウンザリしてんだ」 大地から手を離せ 二本足で立て 空になった手で抱き合えば良い ヒトは愛を知って進化する 道無き未知は怖い だからこそ行け 決まりきった未来を棄てる時 始まるんだよ 君の歴史 旅を続ける内 一匹 又 一匹と 同志が彼の後に続いた その群れの頭上を 信天翁(あほうどり)が一羽 風を切って追い越していった 「それが進化かい? 劣等種よ 腕など羽に及ぶまい」 鳥は消魂(けたたま)しく嗤ったが 「この手は繋ぐ為にある 翼なんか要らねえんだ」 大空を睨みつけ 目指す世界の涯 力無き自分を認めれば 孤独は孤高へと深化する 今 同じ夢を見て 追う友がいる 独りではないって気付いたら ヒトになった 人類の夜明け ダーウィンに捧ぐ ダーウィンに捧ぐ ダーウィンに捧ぐ ダーウィンに捧ぐ この進化を ダーウィンに捧ぐ 大地から手を離せ 二本足で立て 空になった手で抱き合えば良い ヒトは愛を知って進化する 夢を自由を取り戻せ 二本指 翳せ 栄光のサインを掲げ 皆 理想の世界へ歩いていけ 誰の猿真似でもない 本当の自分を 嗤われる覚悟が出来た時 始まるんだよ 君の夜明け