Track by海月結香子
秋は枯れ果て、冬は渇き積もり 息は喉を伝い、絞めてゆく。 年月が過ぎ行く…取り留めない、 私の安い愚痴一つ遺して。 隙間から覗く裸の街路樹に、 いつか春が来たならば 私の目に映るのは―――… 狭い灰の景色の昨日までを 背にして、 鮮やかな明後日を夢に描いて 生きていたい。 歩んできた道を、 それでも受け止めて 知らずにいた空の青さを ただただ、眺めていたい―――。