うまく寝付けず ひとり 暗闇の中目を開けたまま 過去に思いを馳せてみても 痛みは変わらない 幕が降りれば またすぐに新しい舞台が動き出す 期待に応えるべくすくむ足を踏み 出した うまく演技を続けられたら どれほど良かったろう でも違う 飲み込む感情はどこまでも あたしの中で増殖をしてゆく 人間をやめたいな 人間をやめたいな 腐ってく心と躯 突然日常が崩れ去ってく 所詮みんな赤の他人同士さ 顔のない悪意が 善意の塊が 畳み掛けるように襲う 泣いても変わらない世界だから 「私は強く生きていかなきゃ」 「うまくいかない だから人生は面白い」 と昔、誰かがテレビで言ったけど この瞬間 苦しくて 言葉の針が執拗に 射しこんでは繰り返しつつく けずれるいのちの輪廓ばかりを 確かめた うまく演技を続けることが 大人への一歩だとするのなら 「できっこない」と逃げだすことは 甘えであるとあなたは言いますか 人間をやめたいな なんて言えっこないや 真綿で首を締め付けた 「誰か」 の次はあなたの番かも 隣の芝生は青く見えるものさ たわいない会話が 指先の操作が 巨大な槍となり刺さる 誰が死んだって世界は回るよ 「私は強くあり続けなきゃ」 移ろう季節が未来運ぶ 過去はどこまでも遠ざかってく ここにはもう居残れない.. かな 人間をやめたいな 犬になってみたいな ひだまりの中撫でられて スヤスヤ眠りにさそわれ溶ける ぽかぽかと身体が宙に舞い上がる 夢を見て居たいな 夢を語りたいな 灯る明かりを消さないで 明日には明日の風が吹くだろう やわらかな春を運んで