人は瞳から瞳へと旅をする 人は 瞳から瞳へと旅をする 人は瞳から瞳へと旅をする この瞳にあなたが宿る ここじゃない場所なんてないんだよ だって あたしが立つ場所が『ここ』 になるんだもん 炊事 洗濯 仕事に育児 生活は少しだって 待っちゃくれない ひたすらにフル回転 働いて 生まれたばっかりの我が子を守る為 髪を結んで短く切る爪 俯かないで 前を向け睫毛 出ていった旦那に未練なんてないよ あったってそこには未来はないよ 惜しまない愛情 この子を守り養い 「パパが欲しい」 だなんて言わせやしない 同情はいらない 舐められたくない絶対 意気込んで 多めに 炊く白米 あたし何一つ 諦めてない 「必死で生きてる」 ことは不幸じゃない 人は瞳から瞳へと旅をする 人は 瞳から瞳へと旅をする 人は瞳から瞳へと旅をする この瞳にあなたが宿る 「俺は家族の為に働いてんだよ わかってくれよ!」なんて 言ったけど 本当は仕事してる間 家族を思い出した事 なんてなかったよ 手にした職は正に天職で やり甲斐に溢れて 期待に応えて 目標掲げて 食うのも忘れて 働く幸せ 感じてここまでやってきた 引き換えにどれだけ手放してきた? 思い出す度に胸が痛んだ お手手とお目目 柔らかいほっぺ あれから何年 会ってない娘 後悔はしてねえ したってしょうがねえ そんなことよりも明日はプレゼン 絶対に負けねえ 負けちゃいけねえ 背筋を伸ばせ 涙よ 止まれ 人は瞳から瞳へと旅をする 人は 瞳から瞳へと旅をする 人は瞳から瞳へと旅をする この瞳にあなたが宿る 「あの子は片親だから」 なんて言われたら お母さん可哀想だから 必死で勉強 放課後は内緒で学費を稼ぐ為 清掃のバイト 愚痴や弱音など贅沢品で 標準装備する 背伸びと強がり 持たざるものは無理しなきゃ 無理なんだ 泣くな 磨く窓越しに未来を見た 汚れ仕事は手を抜いた時に生まれる あたし 泥に塗れても綺麗でいれる 祈りってやつは最後の最後に使う 初詣 横切って仕事へ向かう 胸に抱くは母の口癖 「神様なんていないよ だから自力でなんとかするんだよ 」 って笑う 姿 生き様があたしが信じてる神様だ 人は瞳から瞳へと旅をする 人は 瞳から瞳へと旅をする 人は瞳から瞳へと旅をする この瞳にあなたが宿る 人は瞳から瞳へと旅をする 人は 瞳から瞳へと旅をする 人は瞳から瞳へと旅をする ここは日本 アジア巨大都市 東京 街全体が交差点 それぞれの切実さを持ち寄って 出会い すれ違う そしてまた 人は 瞳から瞳へと旅をする