招待された覚えはないが 黒い幌馬車が迎えに来た 鞭声鳴らすつぎはぎドール 「飛び切りスイートなもてなしを」 招待状は何処にも無いが 揺らぐ幌馬車が向かったのは 高尚な程気味の悪い 「ようこそ我らが館へと」 真っ青な顔で ふらめきながら 灰皿のように彼は言う 「そうだ!しがらむ赤い糸も 全部投げ捨ててしまおうぜ キャンドルの灯を灯せ 揺らせ 蝋が溶けるまで踊るのさ」 <♪> 招待客は他にいないの? 疑問提供も虚しくなる 「私とほら踊りましょ」 カボチャの臭いで汚れた少女 わっと驚く様な味の デザートに認めた誓いの言葉 「どうぞお口になさって、 きっと御気に召される筈」 ラルラ! 「いつまでたっても夢見がちな アンタもちょっとは気付こうぜ」 干涸びた風船 泥に塗れ キャンドルの灯は灯された <♪> 「何を馬鹿な事を、 あれはアンタが 懇切丁寧に書いたんだろう」 「そうだ!拍打つ赤い林檎 全部投げ捨ててしまおうぜ キャンドルの灯を灯せ 揺らせ 蝋が溶けるまで踊るのさ」 「いつまでたっても甘えがちな アンタもそろそろ気付いたか?」 単純な程気味の悪い どうやら夜明けは来ないらしい 「ついでに一つ確認するが アンタもここで働くよな?」