哀しみ背おいて 家路をたどれば 遠くに揺らめく 憩いの灯火 心に冬の凪 引きずる鎖を ほどけば ほどけば その足も痛まぬものを ああ 年老いた 白き狼よ 誇りを今捨てて 帰れねぐらへ 群れから離れて 掟を逃れて アザミを枕に 儚きまどろみ 心に冬の凪 星降る砂丘に いつかは いつかは その命終われと祈らん ああ 年老いた 白き狼よ その身を横たえて 眠れひと時 心によみがえる 嵐にその瞳を ひらけば ひらけば 空を裂き輝く 天狼 ああ 年老いた 白き狼よ 憩いを今棄てて 叫べ夜空に 志(こころ)があるならば 叫べ もう一度