猫の缶詰をひとつ チョコレートをひとつ 消えるようなものだけくれて、 あのこが夜の町へ消えていく 似合わない服を着て、 口紅なんてぬって、 深夜0時どこで誰となにをするの あのこが援助交際してる あのこが援助交際してる なんにも知らないフリをして、 ぼくはチョコをもらってる 「もうどうでもいい奴ばかりで、 しょうがない世の中だよ」 「嘘です、ごめん」といって、 あのこが夜の町へ消えていく 目線ひとつあわさないで、 死んだような顔をして、 深夜0時どこで誰となにをするの あのこが援助交際してる あのこがライブハウスに来てる あのこが自分を売ったお金で、ぼく の歌を聞いている 悪いのは、だれだ あのこを追い詰めたあいつらか あのこを買ったそいつらか 自分を売ったあのこか ぼくは、 いったいなにを思えばいい いったいなにを歌えばいい チョコを食べたこの口で、 あのこになにを歌えばいい 「ねえ、わるいことってなに? 法律をまもらないこと? 人をだますこと? 私はだれにも迷惑かけてない」 ぼくは言うんだ 「確かにだれにも迷惑かけてない でもぼくに心配をかけている それが悪いことだ」 あのこがちょっと笑ってる 笑ったフリをしてる わかったフリをしてる ぼくのことを笑っている 悪いのは、だれだ あのこを見ていただけのぼくか 全部見えてないフリをして あのこと笑いあっている いったいなにを思えばいい いったいだれに怒ればいい チョコを食べたこの口で、 あのこになにを歌えばいい 猫の缶詰をひとつ チョコレートをひとつ 消えるようなものだけくれて、 あのこが夜の町へ消えていく 猫の缶詰を開ける きみがくれた缶詰をあげる 深夜0時猫が美味しそうに 食べている