大した話じゃないや どこのだれとも分からずに 喋っている このまま時間が経って 浅い別れの言葉だけ脳に響く からん、ころん 心が落ちて がらんどう 空っぽなんだ いない、いない どこにもいないや 朝に喰われて 憂、憂 形もないや ぐわん、ぐわん 不確かなんだ 焼きついた感覚に線を引く 月の引力に逆らって 宙ぶらりんのまま 地球の重力に従って 赤い海に沈んだ パッと消えてく上空 ぜんぶくじらのせいだ やけに綺麗な憧憬 淡い記憶から瞳をふさぐ 不埒な話じゃないか ずっとやりきれないままに 喋っている ハリボテみたいになって 疾うに冷めた言葉だけが宙に落ちる はら、はら 心が亡いや がらんどう 空っぽなんだ 痛い、痛い 胸が痛いや 雨に刺されて ぐさ、ぐさ 裸足のまんま 悪い、悪い人になるんだ 埋まらない感覚が身を喰らふ 月の引力に逆らって 宙ぶらりんのまま 地球の重力に従って 黒い渦に呑まれた パッと消えてく水面 きっとくじらのせいだ やけに歪な衛星 錆びた鎖から手を離す 無理はしなくてもいいよ ヒトのフリはしなくてもいいよ 間違っているのは世界の方だから 無理はしなくてもいいよ 作り笑いはしなくてもいいよ そうやって息をする 月の引力に逆らって 地球の重力に従って 赤い海に沈んだ パッと消えてく上空 ぜんぶくじらのせいだ やけに綺麗な憧憬 淡い記憶から瞳をふさぐ 淡い記憶から瞳を