AWA

歌詞

マモン 「もう1回確認だけど、 ちゃんとバイト 代はもらえるんだよな?」 バルバトス 「払うと申し上げましたでしょう? これで8回目の確認ですよ」 マモン 「そこ大事だろ! てか、そこしか大事じゃない」 バルバトス 「まあ、 あなたのことですからそうなんで しょうが…。 本当に大丈夫なのでしょうね? きちんとやってくださいますか?」 マモン 「魔界で一番信頼できるもの、 それは金がからんだ時の俺様だ!」 バルバトス 「胸を 張るようなことじゃないでしょう …。ハァ〜、 やっぱりルシファーに無理にでも 予定をずらしてもらって 頼むべきでした」 マモン 「いいから俺に任せとけって。 で、どうすればいいんだよ?」 バルバトス 「ですから、 私が坊ちゃまの使いで城を 空ける間、 そばについて私の代わりを 務めてもらいたいのです」 マモン 「OK!OK! 殿下と一緒にいればいいわけだ。 楽勝だぜ」 バルバトス 「いえいえ、私の代わりですから、 常に坊ちゃまが パーフェクトに気持ち 良くいられるよう細心の注意を 払ってほしいのです」 マモン 「任せとけって!」 バルバトス 「ではまず、 ここにあるノートに目を 通しておいてください」 マモン 「ノート?どこだよ?」 バルバトス「これですよ、これ」 マモン 「えっ、これ柱じゃねーの!? 分厚すぎるだろ」 バルバトス 「はい。 私が坊ちゃまのお世話を 言いつかってから今日までに築き 上げてきた決めごと全てを、 あなたのために書き記しました」 マモン 「夜中の2時に起床って 書いてあるけど…」 バルバトス 「はい、 坊ちゃまが起床される5時間前には 起きてください」 マモン 「えぇ!? 5時間とか、 そんな準備することあんのかよ」 バルバトス 「足りないくらいです…。 坊ちゃまが起きてから 寝るまでのシミュレーションと、 そこから導き出された想定 パターンへの準備です」 マモン 「シミュレーションってなんだよ」 バルバトス 「坊ちゃまは思いつきで行動を 決められることがあるので、 その日におっしゃりそうなことを、 季節のイベントごとや気温、湿度、 訪問客、届いた手紙、 などから予想し、 何百通りもの可能性を、 あらかじめ準備するのです」 マモン 「いや、 言われてから用意すればいいだろ」 バルバトス 「いけません。 坊ちゃまは、 普段の私の準備に慣れ 切っていらっしゃるので、 思いついてから 準備に5分以上かかると、 やめてしまうでしょう」 マモン 「はぁ? もしかして、 準備ができてないと怒り狂うとか? 全然想像できねーけど…」 バルバトス 「いいえ『今日はやめておこう』 とにこやかにおっしゃるだけです」 マモン 「じゃあ、やる必要ねぇじゃん」 バルバトス 「いえいえ、 坊ちゃまの 期待にお答えできないということ は、私にとって敗北、 あるいは死を意味します」 マモン 「何と戦ってんだよ」 バルバトス 「ちなみに、 この事前準備は必ず釣りの道具を 用意して、 釣りへ行く格好で行ってください」 マモン 「なんでだよ!」 バルバトス 「過去に1度だけ、 夜中坊ちゃまが突然、 幻のドクロアジを釣りに行くと、 部屋を 訪ねていらしたことがありましたの で」 マモン 「えっそのたった1回のために!? 備え方が悪魔的だな…」 バルバトス「はい、悪魔ですので」 マモン 「ん? この、何重にも線が引いてある 『紅茶の サイン』ってのはなんだ?」 バルバトス 「坊ちゃまは私が入れた 紅茶をいたく 気に入ってくださっているのです が、その時々の気分で違った フレーバーを楽しまれます」 バルバトス 「長年お仕えして、 こうしている時はこの 紅茶をご希望なのだということが 分かってまいりました。 さらに、 坊ちゃまもそれに 気がついてからは、 意図的にサインを 送っていらっしゃるのでそれにお答 えしているのです」 マモン 「なんかすげーな」 バルバトス 「覚えてください。 口が一瞬微妙にとんがったら喉が 渇いたサインです」 マモン 「『喉乾いたー』って 言わねーの?」 バルバトス 「はい。 エレガントではないので 基本所作から読み取ります。 次に紅茶の用意に入りますが、 坊ちゃまが飲みたい紅茶は何か? ここからが勝負です」 マモン 「だから聞けばいいじゃん」 バルバトス 「坊ちゃまのまばたきが 気持ちゆっくりだった場合は、 ダージリンティーが 飲みたいサインです」 マモン 「気持ちゆっくりって、 普段のスピード知らねーし。 てか自分のだって分かるか 怪しいわ」 バルバトス 「さらにこの時、 同時に右耳がピクリと動いた場合は ミルク多め、 左耳がピクリと動いた時は 砂糖多めです。 両方動けば ロイヤルミルクティですので、 茶葉を煮出した後、 ミルクを入れて煮立てます」 マモン 「無理無理無理。 えーっと、つまり、 口もまばたきも両耳も 全部同時に 見てないといけないのか…つーか 殿下の方もむずいだろ」 バルバトス 「ちなみにまばたきがいつもより 早い場合は、アッサム。 もっと早い場合は、 アールグレイといった具合に、 まばたきの速度で茶葉が 決まります」 マモン 「もう、ついてけねーよ! ま、バイト 代のために 頑張ってはみるけども…てかさ、 これでまだ2ページ目なんだけど? こんな感じで全部読んで 全部やるの無理じゃね??」 バルバトス 「私としてはやっていただきたいの ですが…まぁ最後のページを 見てください」 マモン 「ん?オリジナリティ重視??」 バルバトス 「坊ちゃまは、 その人ならではの行動が 大好きです。 なので、 私のようにはせずにマモン 流でやっていただければ結構です」 マモン 「え?え? じゃ、今までのなんだったの?」 バルバトス 「坊ちゃまに 仕えるということはこれくらい 繊細なんです。 一応それをあなたに 知ってもらいたく、 このノートをお見せしました」 マモン 「あー、なるほどね。 結局俺のやり 方でいいってことだよね」 バルバトス「はい。そうなります」 マモン 「やったー、楽勝だぜ!へっへー。 俺流でしっかり仕えるからバイト 代頼むぜ!じゃーな。 ヒャッホー!」 バルバトス 「やれやれ、 もう行ってしまいましたか…。 でも、 最近ご公務でお疲れだった 坊ちゃまのこれ 以上ない気分転換としては 適任でしょう」 バルバトス 「さて、 坊ちゃまがマモンの入れた ロイヤルミルクティーに 満足できずに、 夜中に キッチンにいらっしゃった時のため の準備をしなくては…」

2曲 | 2022

このアルバムの収録曲

このページをシェア

この曲を含むプレイリスト

バルバトス(CV:原田 雅行) & マモン(CV:古林 裕貴)
の他の曲も聴いてみよう
AWAで他の曲を聴く
はじめての方限定
1か月無料トライアル実施中!
登録なしですぐに聴ける
アプリでもっと快適に音楽を楽しもう
ダウンロード
フル再生
時間制限なし