遠い昔の誰かが 風邪を引かないように 僕に着せてたニットのような 言葉 今では古ぼけていて ところどころ破けて それでも着てるニットのような 記憶 捨てるつもりでいるのに 何故かまだ持っていて 断捨離を逃れ続ける 約束 君はただ 波打ち際で 僕を呼び とてもスムーズに脱ぎ捨てさせた あぁ ほつれてゆくニット 解けてゆく波、波 今手放すそっと 風の中へ 魔法が解けていって 明け方見た街並み 肌寒さでさえ 僕らのもの 遠い昔の誰かが きっと良かれと思い 丁寧に編み込んできた 言霊 まるでライナスの毛布 握りしめて生まれた そんな気がしていたけれど 暗示さ 君はただ 薄着になって 夏がまた 近づいてることを気付かせた あぁ ほつれてゆくニット 解けてゆく波、波 今手放すそっと 風の中へ 呪いが解けていって なぜか少し寂しい 守られていたと 気づいてゆく ここはトランジットで乗り 継いでゆく日々、日々 思い出すよきっと 風の中で 空に溶けたニットを掴んでた 手をしみじみ見た この手を 握ってよ あなたのもの 遠い昔の誰かが 風邪を引かないように 僕に着せてたニットのような 話