想い出はすべて 線香花火にして 燃やしたくて 何かに火をつけなきゃ 夕まぐれに誘われて 人混みを嫌うように最寄りより ひとつ手前の 駅から歩こうか コンビニの灯りで 照らされる自分の姿はきっと 宇宙から見れば ほんの一粒さ それでも家路は あなたの残像が色濃くて いつまでも通れない 下向く街並みと 重力が私にしがみつく 振り払えれば はばたけるのだろう これっぽっちの余裕もなくて 雨の香りに気づいた時には 溶けたアイスを手に 溢れる涙と 想い出はすべて 線香花火にして 燃やしたくて 何かに火をつけなきゃ あたたかく燃える 迷いのたびに灯る 小さな火は なんておぼろげで 無機質なのか 何が起ころうとも ここに確かに宿った火はまず 足元を照らす