おにやんまは 日溜まりトンボ 夕焼けに染まって飛んでった 水遊びは縺れる光の輪 繁吹あげあげ虹の中 膝を抱えて笑っているのは 足りない何かへの懐かしさ おさげの髪が笑ったら 翻る夏が溶けていく わらぶき屋根は朝顔だいて 軒の下でひと休み 浴衣の裾をすぎていく風が 忘れたあの日を唄ってる 深閑お宮のゲタの音 日傘回れば蝉の声 夕暮れ蛍は食いしん坊 団扇の風に水探し 赤と黄色のパラソル揺れて 笑顔をつくって待ってます 足りない何かを持ってます 哀しい君の噂が ここまで追いかけてくる 紫のタバコのけむり なにもかもが 終わってしまった 人々が肩を落として 遠ざかる街 恋人たちは わらいは わらいは しない 君の手がいつのまにか 離れてしまった 風の暖かさをなぜか 忘れてしまった