あれから 時はすぎて 思い出滲んだ この街には 春の陽射しが そっと ゆれて 記憶を辿りながら 街路樹 続く道を抜ければ いるはずのない あなたに会える気がした 春には逢いたくて 逢いたくて あなたを想う ゆるく伸びる坂道を 白に染める桜の花 目を閉じればふいに ああ 愛しい笑顔がよみがえる 風が吹きぬける 秘密の近道だと はしゃいで駆け抜けた空き地には ひとりの影が 長くながく伸びてゆく 変わらない景色が 何度でも あなたを映す 窓を染めるあかね雲 背伸びをして見上げた空 目を閉じればふいに ああ あなたの声 聞こえた気がした 僕は立ち尽くす 耳の奥に 胸の中に あの日くれた言葉 この想いを何と呼べばいい? 春には逢いたくて 逢いたくて あなたを想う つないだ指の温度で 手に入れたと思った永遠 目を閉じればふいに ああ 愛しい記憶がよみがえる 背中押すように 愛した笑顔はここにある 僕は顔上げる