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風蝉の灯

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  • 2023.01.15
  • 5:07
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歌詞

教室の隅で君はいつも膝を抱えて 退屈そうな目をしては ぼんやり空を見上げてた ひとりぼっちが怖くて 誰かに歩調を合わせて ずっと生きてきた僕には 君がとても光って見えた 僕らは似たもの同士 そんな気がしていたんだ 初めて見た君の笑顔と 口元に隠れた八重歯 夏が去ってゆく頃に 小さな町を抜け出した 二つ並んだ影法師 何処までも伸びてった あの涙の意味が分かっていたら 今日と違う未来が待ってたのかなぁ 大人になった僕を 寂しそうに記憶の中の君が 見つめている それでも僕らはきっと 変わらない物を探して 人ごみに流されながら 変わり続ける生き物だ あの頃と同じように 夕暮れの街を歩いた でも伸びた影はもう ひとつだけ 蝉が嫌いだと言った君を からかって笑う こんな時間が いつまでも続くんだと思っていた 夢に描いた未来は有刺鉄線の向こう 越えることは出来ないと 初めから分かってた 転んで擦りむいた膝の傷は いつか跡形も無く消えてしまうのに 強く握りしめた汗ばむ手の感触は まだ消えず残っている 時が経って 背も伸びて 忙しさに 押し潰され 君のことも忘れそうだよ だけどあの日の二人はもっと どんな宝石よりも 輝いてたはずじゃないか そうだろう? それでも僕らはきっと 僅かな希望を抱いて 人ごみに逆らいながら もがき続ける生き物だ 強くなんてなれないよ 今も弱音ばかりだよ でも立ち止まらないように僕は行く 伸びた影はもう ひとつでも 夏は終わるというのに 蝉時雨は止まないな やがて燃え尽きる命の鼓動を 掻き鳴らすように 陽炎が揺らいでいる そろそろ歩き出さなきゃ 遠く霞んでゆく君に 僕はそっと手を振った

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