貴方はすぐに服を買ってくる 私は可愛い人形なの? 貴方はすぐに髪を撫でたがる 私をあやしたつもりなの? 口付けをして胸元に抱き 首筋を吸う度に 私を嘲るのでしょう? あのね 二人ここからもしも やり直せる日が来たら きっと ひらりと逃げた蝶も 戻るのでしょうか だから一人で折った蝶の羽を 千切って待ってるの いつか 逃がさぬように貴方の羽も…… 貴方と同じ名前をつけたの 片羽でもがくカラクリアゲハ 朽木のように動くこともなく 羽もない この蛹の私は醜いのですか? そうね 幸せな恋歌など 叶わぬことだとしたら いっそ 玩具にしてしまうのが 幸福、でしょう? そして 二人で過ごした日々を 大事に箱に仕舞い いつか 千切れた羽を拾う時は…… 積み上げた嘘と現実 崩れたのは過去と光 求めるのは咎としても あのね 二人ここからもしも やり直せる日が来たら きっと ひらりと逃げた蝶も 戻るのでしょうか そうね 離れた番の蝶 二度とは戻る事はなく きっと 遠くでまた綺麗な 花を探すでしょう だから お願い私だけの アゲハになってくれませんか? カラクリの玩具に なってくれますか?