雨玉の中紛れた 光の粒が綺麗で泣きそうだった バス停の側しゃがんで 広げた指の隙間を通り過ぎた 懐かしいなんて思う程 時間は過ぎていないけど スカートの裾を掴んで 聴こえない振りをして塞いだ 「ごめんね。」 覗き込んだ筒の奥 散らばるホログラム 目にした覚えの無い 淡いグラデーション 無限に伸びてゆく しろくろホログラム 出口の無い道の 先をまだ探している 改札を出て叫んだ 言葉が距離を埋めることはなくて マフラーに顔を隠して 閉じた瞳の中で泳ぎ続けた もう一度逢える気がして 捨てることができなかった 手紙を知らない空に 置き去りにしてそっと呟いた 「ごめんね。」 窓の外 乱反射 消えないホログラム 涙越しに視える 街はイミデーション 素直になれなくて 痛いよホログラム 通り過ぎたはずの 日々をまだ夢見ている 傘を並べて当てもなく過ごして 雨の下 歪な足跡を 辿った 誰も知らない 二人だけの時間 思いだけが光のように 透過してるよ 二つ前の季節に 今更戻れない 振り返るはずもない 違うレールを進む背中に 「サヨナラ。」 声にならない声 溢れるホログラム 今になって気づいた 淡いグラデーション 無限に伸びてゆく しろくろホログラム 出口の無い道の 先をまだ探している 君の手を探している