風はなぜに泣いているのか? 誰か僕に教えて ふいに木々が震えながら 声を殺しざわめく 何をひそひそと話すのか? 何を隠したいのか? 今 僕にできることって 夕凪(ゆうなぎ)を 待つことだけかい? ああ そして人間(ひと)は無力と思い知る 何を語ろうとそれは止まらない ああ 偉そうに聞いてても 無駄だとわかる どうであろうと 僕は風を無視できない 遠い夏祭りの夜に くるくると回ってた 色の綺麗な風ぐるま 誰の想い届ける? 知らぬ間に頬に流れる 一筋の涙よ 収まれ ああ だけど人間(ひと)は 何かをしたくなる それが何(なん)なのか わからないままに… ただ 見過ごすことできずに 耳をそばだて 気配探す 風はどこから吹くつもりか? たとえ僕が 瞼(まぶた)を閉じようと どこで泣いてるか 見当つかない もう 他の人のことなど考えるなと おせっかいな僕に 耳打ちしてくれてる ねえ そして人間(ひと)は無力と思い知る 何を語ろうとそれは止まらない ああ 偉そうに聞いてても 無駄だとわかる どうであろうと 僕は風を無視できない どこで誰が泣き声 上げようが 僕はそれを思いやる余裕がない こんな情けない自分の聞き違いだと 納得をして 風の中を歩き出そう