表紙の擦れたレコード そっと針を落とせば 細く尊く聴こえてくる あなたの歌声 一度でも会えたなら 訪ねたいこと ページめくるように手繰り寄せ 夢を見ていた 夕暮れ時はさびしそうと 歌うあなたの声は 今日もあの夕陽のように 空に溶けていきました 磐井川の向こうから 恋心をひとつ つれて駆けてくる女性(ひと)が 見えるようでした 大切にしていたギターの木目に 染みる想いが 今も誰かのその胸に そっと寄り添いますように 夕陽に染まるベンチには いつかと同じように 虫に刺されながら あなたを想う人がいる 夕暮れ時はさびしそうと 歌うあなたの声は 今日もあの夕陽のように 空に溶けていきました 夕陽に染まるベンチには いつかと同じように 虫に刺されながら あなたを想う人がいる 私は今日もあなたの歌を歌います。