私の母の名前はヴィルマ フィリピンから日本へやってきた人 幼い兄弟養うため 言葉も話せない見知らぬ国へ そんな異国で生まれて初めて 恋に落ち私を産んでくれた 誰よりも深い無限の愛で 貧しくても笑顔で育ててくれた ヴィルマ でも私は 片言でしか話せない貴方を 同級生がからかう度に 恥ずかしくて恨んでいた 私にはずっと誰にも言えず 一人悩んでいたことがあった 身体は女 心は男 理解が出来なくて消えたくなった そんな私を母は知っていて 抱きしめて明るく話してくれた 「愛は自由よ それでいいんだよ 何にも悪いことしてないのだから」 ヴィルマ そう私は 周りと違う貴方を恨んだのに 周りと違う私の側で 味方でいてくれました 時に貴方の愛の重さに耐えきれず 大喧嘩 Why don't you understand? My life only once. 普通の幸せ願う母 夢を追いかけたい私 互いに譲れず母から逃げるように 家を出た 一人で生きていく ヴィルマ そうあの日から ローマ字だらけのライン 気付きながら 意地を張って素直になれず 見てない振りしてました ヴィルマ でも私が 仕事終わり深夜家に帰ると ドアノブにかかるフィリピン料理 涙が込み上げてきた 数ヶ月ぶりに母への電話 なぜかドキドキしてボタンを押した 母はいつもの明るい声で 言葉が出ない私に一言 「愛してるよ」