部屋に置いたままの僕のシャツが椅 子の背中に 君は一人きりの時もここにきっと座 っている 沸いたコーヒーの湯気 水槽のコバルト なんにも言えないけれど 君がこのまま僕の為に罪を重ねるな ら 罰はどうか僕だけに 僕は花の薫り試すように顔を埋めて 君は苦い果実かじるようにそっと眉 を寄せた 波にさらわれたなら電話のベルさえ も風の音に変わるから いまは何もかも忘れて君の柔らかさ に こうして甘えていたい ビルの谷間 浮かんでる 二人だけのこの場所 君を連れてこのまま不確かなあした に 絡んだ指ほどかずに ハダシのまま砂の熱さにせかされる みたいにどこまでも走れたなら 君がこのまま僕の為に罪を重ねるな ら 罰はどうか僕だけに