AWA

Works(feat.アフロ)

Track byJag

88
2
  • 2021.04.21
  • 4:27
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歌詞

夜の闇の中 空に向かい真っ直ぐに梯子を伸ばす 一段一段 慎重かつスピーディに登っていく足 元に迷いはなく あっという間に辿り着く満月 月を磨く という職に就いてからどれくらいの 年月が経っただろう 目が眩むような眩しさにも もう動じない 隅々まで行き渡らせるワックス 凸凹に沿って丁寧に拭き上げる 時にはウェディングベールみたく 薄い雲を覆い被せ はにかむ花嫁のように 時には銅を吹き付けて赤く染め 妖艶な姿に 僕の仕事ぶりは日本全土に知れ渡り 毎年 十五夜を任せられてる この国のロマンチックは僕が作った なんて言ったら言い過ぎだけど I love youの日本語訳を漱石がさも得意気 にやれたのは 僕の仕事があってこそだって 密かに思ってる 拝啓 地上にいる皆さん 今夜の月はどうだい? 今夜も僕は梯子を登る 三日月の夜は早上がり 一瞬で仕事が終わってしまう そんな時は腰に下げた水筒からコー ヒーを注ぎ一息 この場所じゃ自分の呼吸以外は完全 なる無音 それに包まれるとつい人生なんても のを考えこんでしまう もしかしたら違う選択もあったんじ ゃないか なんて か細い梯子は一人しか登れず 常に隣にある孤独 気を抜くと宇宙に吸い込まれそうに なる そうやって星になっちまった同業者 を沢山知ってる 彼らは今も愛憎が混じった眼差しで この月を見つめてる 地上に降りると 何やら街が騒がしく人々が血相を変 えている どうやら疫病が流行ったらしい 街中を救急車が走りまわる 政府は対応に追われて 「なるべく家から出ないでください 」 と呼びかける 静まり返った街 犬の遠吠えだけが響く どれだけ季節を跨いでも事態の収拾 は付かず 遂には 「月の誘惑が外出を招くので」 の一文から始まった通告が僕の元へ 届けられた 「今夜を最後に暫くは休むことにす る」 そう告げると妻は俯き 「私も明日から職を探します」と呟 いた その声を背中で受けてとめて 梯子に足をかけ一心不乱に駆け上る 登り切るとそこには通い慣れた仕事 場 今日は満月 感慨にひたる暇もなく取り掛かる まんまるの月を丁寧に磨く ワックスを贅沢に使いきり ストックしていた新品のブラシでゴ シゴシと擦る 仕上がったそれは紛れもなく最高傑 作 同時に夢中になれるという事の幸せ に 今更気付く 思わず涙が一雫 そこからは止めどなく 下を見れば数億数千の眼がこちらを 向いて光ってる 今ならわかる 僕は孤独ではなかったんだと あの光にこそ照らされていたんだと 燦々と輝く月に誓う 必ずここに戻るから だから どうか 待っててくれ

このアルバムの収録曲

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