誰も足を踏み入れたことのない 真白な山の真白な雪 飛び跳ねるように進みゆく まるで雪ウサギのように 今までつけてきた 泥やほこりを 白雪がすべて洗い流すよ そして本当の自分を思い出す 手のひらに乗せた雪玉が 日の光で溶けてゆくように 怒りや悲しみは溶けてゆく 今咲いたよ 真白でかれんな 花が 誰も近寄ったことのない 真白な山のいただき 一歩一歩一歩はい上がる まるでウミガメのように 今までつけてきた 罪や穢れを 白雪がすべて洗い流すよ そして本当の光を取り戻す 手のひらに乗せた雪玉が 日の光で溶けてゆくように うらみや憎しみは溶けてゆく 今生まれたよ 暖かい桃色の 愛が 悲しみは悲しみのままに 憎しみは憎しみのままに 溶けた雪玉が 蒸発するように やがて消えてゆく 溶けた雪玉の 代わりに得られるものは 心の底から湧きだす 笑顔なんだよ