午前三時の東京湾(ベイ)は 港の店の ライトで揺れる 誘うあなたは 奥のカウンター まるで 人生 飲み干すように 苦い瞳(め)をして ブランデーあけた 名前は? そう、仇名ならあるわ 生まれは? もう、とうに忘れたの ねんねんころり寝ころんで眠りましょうか 東京ララバイ 地下があるビルがある 星に手が届くけど 東京ララバイ ふれ合う愛がない だから朝まで ないものねだりの子守唄 午前六時の 山の手通り シャワーの水で 涙を洗う 鏡の私 二重映しに レースの服の 少女が映る 愛をうばった 二年が映る 愛した? そう、数知れないわね 別れた? もう、慣れっこみたいよ ねんねんころり寝ころんで眠りましょうか 東京ララバイ 夢がない明日がない 人生はもどれない 東京ララバイ あなたもついてない だからお互い ないものねだりの子守唄 孤独さ、そう、みんな同(おんな)じよ 送るよ、いい、車を拾うわ ねんねんころり寝ころんで眠りましょうか 東京ララバイ 部屋がある窓がある タワーも見えるけど 東京ララバイ 倖せが見えない だから死ぬまで ないものねだりの子守唄