ゆるい風とアスファルトの雨音 階段上り丘の上から見下ろす 小さくなった街並みに溢れる色とりどり咲く傘 永遠という別れに立ち尽くして 僕は今もこの場所で動けなくて 君が大好きだったアジサイはもう きれいな花をつけた さよならさえ言えないままで 君は帰らぬ人となった もっと手を繋いでいたかった この腕に温もりを感じていたかった きっと君の記憶は消えない この世界に降りそそぐ雨のような 優しさを抱いたまま 夕暮れ時 不意に降り出した雨 走る君は僕の元に駆け寄って 『大きな傘をひとつだけ差そうよ』 照れながら言ってたね 夜が終わる かすかな光の中 夢の淵であの日の君が笑うよ 伝えたい言葉はたくさんあるのに 目覚めると君はいない 約束さえ果たせないまま 君は帰らぬ人となった ずっと一緒に歩きたかった すぐ側で幸せを感じていたかった きっと僕の痛みは消えない この瞳に溢れ出す涙のような 切なさを抱いたまま 笑い合った日々は今でも 心の中で生き続ける もっと手を繋いでいたかった この腕に温もりを感じていたかった きっと君の記憶は消えない この世界に降りそそぐ雨のような 優しさを抱いたまま