丸い水槽 遠く透かした青空 白く塗り重ねた雲を 飛行機が結んでいる 赤い金魚が僕の耳元で囁いた 「いつまで寝ぼけているの 早く目覚めておいで」 寄りかかった白い壁が 僕のせいで黒い影を落として 「ごめんね」って泣いたって 誰も許しちゃくれない 深い深い青に染めた 指先が輪郭をなぞったんだ ほら今水は銀色に跳ねて 淡い淡い青の中で 世界が今僕をなぞった ほらねぇ会いに行くよ 水浸しの僕しかいないこの空間 白い床は一面空を映している 赤い金魚が 僕の耳元で囁いた気がした 「いつまでそこにいるの? 早く潜っておいで」 つま先はもう水の中で 僕はちょっと沈みかけたけど 「さよなら」って言ったって 誰も応えちゃくれない 赤い赤い金魚が泳ぐ 青の中彷徨って見つけたんだ ほら今 水は透明になって 弱い弱い僕のために 世界が今君をなぞった ほら今見えていくよ 深い深い青の中で 指先が溺れては染まったんだ ほら今、水は銀色を撥ねて 淡い淡い僕のために 世界が今君をなぞった ほらもう見えているよ あいにいくよ